みなさん、こんにちは。
東日本大震災の復興が進まず、国事多難な折に、政権内部、与党である民主党内が混乱し、皆様にご迷惑・ご心配をおかけしていることについて、心より、お詫び申し上げます。
また、通常の議員活動・日程を行う中、今回の大騒動、それに伴う取材や電話応対など、ブログを書きたいなと思いながら、大変、ブログが遅くなってしまいました。最近、本当にブログ不精になってしまいましたが、法案採決前にこれだけは書いておかなければならないと思い、本当は金曜日に書くべきですが、本日、書かせていただきます。
まず、ICレコーダーで録音していたマスコミさんから、先日の両院議員総会の私の発言について要旨を「テープおこし」してくださったものを入手したので、それを掲載します。
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消費税増税はマニフェスト違反であり、いろいろ野田総理が消費税の話をしていたのは分かるんですが、しかし、やっぱり代表選の公約違反であると思います。というのは、前原さんに近いグループの人でも、「野田さんが消費税上げないといったから俺は投票した」という人が私の知り合いにいるんです。大変申し訳ないが、私は野田さんに投票していませんが、そういうふうにして投票した人がいる。ですから、私は野田さんが消費税のことを不透明な形、あいまいにされた部分はあると思います。
しかしながら、私は、マニフェストや党代表選で言ってないことは何ひとつやっていけないとは思いません。しかし、それらをやるからには丁寧な党内議論が必要です。ところが、党内の議論が、ある意味、前原先生も被害者だと思いますが、残念ながら今、十分なプロセスができていないんです。そんななかで、党内の合意を得る。この党を一つに統合していくところから考えると、どうもプロセスに不十分なところがあったのではないかと思います。
だからこそ、両院総会の場で、多数決でも採決すべきなんです。総会を開くべきだと思います。そして、ここでもし、総会が開催できないならば、156人の署名はどうなるのか。ある意味、党規約違反にもなる(そうだの声)。
私はぜひ、この党をまとめて頂きたい。そして、3党合意があるから、ひょっとしたら消費税が通るかもしれない。でも消費税の法律が通ったとしても、党がもし分裂するならば、党代表としての責任は取っていただきたい。その意味で、もし分裂するということがあれば、辞任をして頂きたい。(拍手)
そしてまた、これは決してただ単に辞めてほしいということを申し上げるのではなく、そのくらいの覚悟で、まとめてほしいということなんです。
この党は、もちろん私どもだけのものではありません。党員、党友、そしていま批判にさらされながら頑張っている人たちもいます。ここにくるまでにたくさんの犠牲と努力の積み重ねがありました。私もいま議員でいられるのは、もちろん、参議院議員さんのご支援のおかげでもありますが、私の前の総支部長、前の前の総支部長の方々のおかげでもあると思っています。
2009年の総選挙でも7人の方が落選しました。
その7名の方の名前をいえますか。
参議院選挙で昨年落選した人がいま何をしているか、思いを馳せたことがありますか。
だからこそ、私は、この党というのも、ひょっとしたら、野田さんにとっては松下政経塾のほうがアイデンティティーあるかもしれないが、でもこの党を割ってほしくない。党を割るべきでない。
ぜひ党内のコンセンサスを得るべく。ぜひ最後まで努力してほしい。ぜひリーダーシップを発揮して頂きたいとお願い申し上げます。(拍手)
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私が両院議員懇談会で、上記の発言要旨のように、野田総理に「党分裂ならば責任を取ってもらいたい。党が分裂したら、党代表を辞任していただきたい」と申し上げた件について、自分自身のブログで自分の考えを表明したいと思います。
ちなみに、このことは、現時点で直ちに野田代表の辞任を要求したものではありません。明日の採決までに、執行部の腹一つで、党議拘束を外したり、あるいは除名処分にはしないなどの手段によって、党分裂を回避する方法はあるのです。それらのベストを尽くすべきだ、党が分裂すれば辞任するという覚悟で臨んでもらいたいとの姿勢を持ってほしいということです。
そもそも、一つの政策、一つの法案に対しての反対で、除籍・除名処分が出されたことは、自民党さんにおいても、あの悪しき郵政民営化法のときだけです(その民営化法が原因で自民党さんは党内が混乱し、力を失いました)。国会議員は、特定の政策・法案のためだけに政党に所属しているわけではありません。まして、海外では党議拘束している国の方が珍しいのです。小林興起先生も鹿野グループの会合で何度もお話になっておられましたが、一つの法案の反対・造反で、役職停止などの処分は必要であるかもしれませんが、除籍・除名というのはおかしい、しかも小泉・竹中の政治を修正することを目的として政権交代を果たした民主党ですから、なおのこと、小泉と同じ方法をとる必要はないと思います。現に「郵政民営化見直し法案」に小泉進次郎氏が反対しましたが、そのことで彼は除名処分になったでしょうか?役職停止などのなんらかの処分は必要かもしれませんが、除名するということの方がおかしいのです。国会議員が、政党に所属しているのは、今の政治状況で、こんなことを書くのは気が引けますが、政治家は政党の理念や理想、社会の進むべき方向性に共鳴して政党に参加しているのだと思います。決して、一つの政策、一つの法案に賛成するためではありません。私たちは消費税法案を通すために国会議員になったわけでありません。
なお、もし今回、党が分裂ということになれば、野田代表になってから、新党きづな、八ッ場ダムのことで離党した中島政希議員(中島議員は私が学生の時にボランティアとしてお手伝いした、私が最も尊敬する議員の一人です)、木内議員などをはじめ、50以上の議席を失うことになります。選挙で50議席も失えば大敗であり、これだけの議席を失うことになるとすれば、理由はどうあれ、執行部の運営にも相当な失敗があったという結果責任は生じると言わざるを得ません。
今回の社会保障と税の一体改革関連法案、特に消費税増税に関する法案は、まず、明白にマニフェスト違反・2009年の衆院選公約違反であります。今回の消費税論議は、マニフェストに書いてあることを行うために、他のマニフェストの内容を取り下げたということではないんです。ここを履き違えてはいけない。マニフェストに書いていない、代表選でも言っていないことをやるためにマニフェストを取り下げるということなんです。それだから、こんなに揉めるのだと思います。会議等で「ねじれ国会の中でマニフェストを実現するには、気の遠くなるような与野党間、業界団体等の合意形成が必要だ」という発言がありました。ならば、マニフェストに書いてないことを行うことに、少し気が遠くなる気がするくらいの党内合意形成努力をすべきではないでしょうか。
すこし話が脱線しますが、私は党内合意は不可能ではないと思っています。3月28日がターニングポイントでした。あの時も前原さんが午前2時30分に、多数決をとることもなく、突然、会議を打ち切りました。その後、100人の議員が「こんな終わりかたはない、もっと議論すべきだ」と主張し、その場に残りました。このとき、推進派の議員も10名程度、中間派も20名程度、慎重派は70名程度残っていました。推進派の中でも、このような議論の在り方はおかしい、合意を得られるまで努力しようと頑張った議員がいたのです。そして、推進、慎重、中間の三派から代表者を選び、輿石幹事長に議論の継続を要請に行くことになりました。慎重派は鈴木克昌議員、中間派は篠原孝議員、推進派は吉良州司議員でした。そして、輿石さんと会った後、戻ってきたときに、吉良さんは「あと1時間あれば妥協できた思う。今回のテーマはTPPのようにそれぞれが正反対を向いているものではない。反対派の皆様はかなり歩み寄っていただき、慎重派になっていた。あとは消費税を上げる条件、それも字句の修正を一ひねりするところだったのではないか。大変残念だ」という趣旨のことをお話になったと思います。推進派の、しかもTPPのプロジェクトチームの事務局長である吉良議員が、このように発言したことは、きわめて重いと思います。
推進派からの批判に「代表が決めたことだから、みんなでやっていくべきだ。反対派があいるのは足を引っ張っているだけ」という話がありました。まさにマニフェストに書いてもない、代表選で約束したわけでもないことを、実質的な党内コンセンサスを得ることなく、手をつけ、自ら自分を窮地に追い込んだのは、野田代表その人です。そんなに大変だというなら、6月26日にどうしても採決するなどと言わけねればよいのです。もっと議論を尽くせばよい。国会運営と党内運営の両方の拙さ、吉田公一農水委員長が、言った通り「自業自得」なのであり、それを「異を唱える議員がいるからうまく進まない」などというのは、私は責任転嫁であると思います。「マニフェストに書ないことはやらない」、とは野田さんがかつて森山議員の応援演説で述べた有名な言葉でありますが、このことからすれば消費税をやるなどとしなければよかったのです。
今回の消費税増税は、2011年代表選の公約違反である。野田さんは代表選で消費増税を言ったといっていますが、当時、代表選挙有権者に配られたチラシには、「消費税」の文字はどこにもありませんし、一番肝心な立会演説会でそのことにはまったく触れていません。なお、私は野田さんには投票していないのですが(1回目;鹿野議員、2回目;海江田議員)、前原グループに所属している議員の中にも「野田さんが消費税はやらないといったから投票した、だまされた」という議員がいるのです。
しかし、私は、マニフェストに書いてないこと、代表選で言ってないことを絶対にやってはいけないとは思いません。しかし、新しいことをやるのであれば、それがマニフェストと相矛盾することであれば、丁寧な党内論議、党内形成が必要です。それが、民主党の存立基盤にかかわる重要な事項であれば、なおのことです。
ところが、その党内の意思決定過程が十分ではないのです。これは身内の恥をさらすことですが、よく前原さんが話す「党内の了承」「党内手続き」とは、全会一致でもなければ、多数決でもありません。反対派が多かったとしても政調会長が一方的に「了承した」と判断すれば、了承となってしまうものなのです。くどいようですが、合同会議でも両院懇談会でも「多数決はとられていない」のです。このことがあまりにも誤解されて伝えられてしまっているように思います。
これは、木曜日の合同会議において、私が前原さんに「何を以って了承とするのか、何を以って了承としないのか、定義を教えてほしい」と手を挙げて質問しました。その答えは「全会一致は了承。異論がある場合には、政調会長が判断し、一任とすることだ」。との答えでした。会議を開いて、了承してくださいという主催者側が、了承したかどうかを一方的に判断できる、なんていう仕組みは、江戸時代のお上が下々のものを意見をきく、というような話で、公党の意思決定プロセスとして不十分である。意見・不満を聴くだけの会であり、「了承をお願いする」とか「了承を取り付けた」などという表現がふさわしくないプロセスなのです。このプロセスが手続きに従ったものであったとしても、明らかに改善が必要なプロセスと言わざるを得ません。立法をする我々が、手続きが不十分であることをわかっていながら、それにのっとっているから問題ないんだ、意思決定が確保されたなどとというならば、政治過程、意思決定過程を語る資格はなくなると思います。
ちなみに、3月28日の党内議論において決定されたことを覆すわけですから、本来であれば、3党合意が行われる前に、合同会議を開き、民主党内の意見を取りまとめ、3党協議を行い、3党協議と民主党内の協議が同時に進められることが、せめて2~3回でもそのようなやり取りが行われる必要はあったと思います。しかしながら、3党合意が行われてから、「一字一句も変更しない(前原さん)」とのことで、党内にて、先ほどの「不満を聴く会」が開催され、一定の時間が過ぎた後、一方的に党内了承がとられたとマスコミ発表されたわけであります。
手続きが不十分で、十分な合意形成を得られないものであれば、手続きを尊重しつつも、他の方法も用いて合意形成を図ることが必要です。また、その手続きを不断に改善していくという姿勢を持つことは政治家として当然の姿勢ではないでしょうか。我々、中間派は、党規約に則り、「衆参国会議員の3分の1の署名があつまれば“すみやかに開催しなければならない”」両院議員総会の開催を要求しました。両院議員総会は、「党大会に次ぐ最高意思決定機関」と規約に明記されています。両院議員総会の場で丁寧な議論を尽くすべきである、せめて多数決を採るべきであると主張しました。また、その場で執行部が自信がなくて採決できないというのであれば、党議拘束をするべきではありません。なお、今回の民主党の反対者の中には、①プロセスが十分でない、党内議論が尽くされていないから反対というもの、②仮に反対であっても多数決により賛成が多ければその決定に従うという者がおります。プロセスを改善することで反対を防ぐ、最小限にとどめることは、私は可能だったと思います。
我々は、議員に署名を募り、その数は150名以上となりました。両院議員総会開催の署名数に十分に達したのです。当然、速やかに両院議員総会は開かれなければなりません。しかも、この開催要求の趣旨には、「当法案の採決前に開催すること」と明記されています。これは先々週の金曜日に提出されました。税と社会保障に関する合同部門会議を開く前に、両院議員総会こそ、開催しなければならなかったのです。ところが、執行部は両院議員総会を開催しませんでした。これは、法定数をみたしている署名が集まったのに、住民投票をやらない、株主総会開催要求が出たのに総会を開かないことと同じです。明確に党規約違反です。
ちなみに、中間派の議員のことを、推進派の議員の中には数合わせとしか考えない議員、反対派の中には常に裏切るグループとみている人もいますが、ずっとこのような党内融和の提案を行ってきました。執行部や推進派は、このような中間派(というよりも党内の多数派)の党内融和の提案をすべて蹴っ飛ばしてきました。そして、今現在、反対派の勢いがとてつもないものになりつつあります。私は、中間派の意見がまったく顧みられない状況に、「中間派の提案をまったく聞き入れないということであれば、法案が通った後、党代表の責任を問う、辞任を求めるという強い姿勢も必要ではないか」とも考えました。鹿野先生は、両方から攻撃されながらも、必死で党内融和、そして政局の混乱の収拾に、本当に私心なく、全力で尽くされておられました。だからこそ、周辺の我々は、本当に悔しい思いをいたしました。
マニフェスト違反、代表選の公約違反、そして両院議員総会の開催をしないという極めて重い党規約違反を重ね、なおかつ反対者に対して除籍・除名等の処分を行い、党分裂を招くとすれば、組織のリーダーとして、党代表として責任を取る必要がやはりあると今でも思っています。
それと、私は、このことに関連して訴えたかったことは、人を斬ったり、ひとを陥れたりすることが強いリーダーだ、そんなリーダーが評価されるべきではないと思っています。サッカーでもラグビーでもチームをまとめるキャプテンや監督は名監督であります。チームをバラバラにして評価される監督やキャプテンはおりません。しかし、政治の話だけは、さかさまになっているように思います。これはマスメディアやコメンテーターも含めてです。人を斬ったり、人を陥れたりすることで評価される政治は、もうやめましょう。政治信念の違いから道が分かれることがあるかもしれない。しかし、「出ていきたい奴は出ていけ」とか「これで特定のグループの人がいなくなるとせいせいする」などという発言がいまだに執行部の側から聞こえてきますが、このような傲慢な言葉は、リーダーが絶対に口にしてはいけない言葉だと思います。
くわえて、私は日本人には、特定の目的は達成しても、そのことで不利益を被る人がいる場合に、その人たちのために責任を取る、というような美徳があったと思います。もし、野田さんが総理として消費税法案を通すにしても、やはり民主党を混乱に陥れた党代表としての責任を感じるべきではないかと思うのです。仮に、野田さんが「自分は政治生命を賭けてやってきた。この法案は通してほしい。しかし党にはマニフェストとの整合性をはじめ迷惑をかける。私は辞任するから、みなさん、分裂しないでほしい」という、身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ、というような姿勢があれば、かけらほどでもあれば、党がこれほど混乱することはなかったと思います。
前回の参議院選挙の際に、党常任幹事会で決定した「2人区2人擁立」に対して、静岡県連の皆様とともに異議を唱えました。ブログで党執行部のやり方について批判するのはそれ以来のような気がします。でも、決め方がおかしいものはおかしいというべきだと思っています。
最後に申し上げたいのは、この党は、野田さんの私有物ではありません。「政治は政策を実現する手段。その政治の手段が政党」と、いう人がいますが、これは一面正しいが、一面において間違っている。今、批判に耐えながら、期待をいただいている党員のものであり、党友のものでもある。そして、このような党でも、ここに来るまでに多くの犠牲と努力の積み重ねがありました。もし、政策を実現する手段の手段が政党ならば、せめてその政策は国民の皆様とのお約束、マニフェストの実現であるべきだ。
野田代表をはじめ、執行部の皆様には、できることは限られておりますが、このような党といえども、多くの犠牲と努力の積み重ねの上にここまで来たこと、我々バッジをつけている国会議員だけでなく、今、批判にさらされながら、必死で耐えている地方議員、党員、党友(サポーター)のものでもあることを十分にご理解いただいて、党分裂を避ける手立てを講じていただきたいと思います。手続きに不備、規約違反があるわけですから、その点も十分に考慮し、お互いが一歩ずつ退いて、一つにまとまっていくべきであると思います。