「選挙で応援して貰えなかったからといって必要な事業も行わないとか、選挙で応援してもらったからといって無駄な事業を行うとか、そういうことをしてはならないのです。自分の利益や選挙の応援の有無にかかわらず、公平・公正な態度で、必要なことは行い、不必要なことは行わないというのが、『与党の矜持』『民主党の矜持』です」。当時の鳩山総理が浜松で行った演説の中の言葉です。当たり前の内容です。でも、私には胸に響くものがあり、その時に自然と涙が溢れそうになったことを覚えています。
以来、この言葉をずっと胸に抱いて三年三カ月の任期の間、仕事に取り組みました。
選挙が終わったら、それこそ「ノーサイド」。
選挙で応援していただかなかった方、団体からのご要望であっても、それが必要なものであれば、全力を尽くして参りました。中には、ご要望のハードルが高くて、あるいは私の力不足により、実現できないものもありましたが、施設の立替、新法の制定、被害補償、地域のインフラ整備など、基本的にしっかりと対応してきたつもりです。また、一方で、健全な批判精神を失うことなく、自分と違う意見に敬意を持ちつつも、自分の意見・信念については、主張を貫いてきたつもりです。
「あの人は必ず選挙の際に裏切るから、あのような人の話を聞くことはない」と、私のことをそれなりに案じて、囁いてくださった方もいらっしゃいました。また、私からすれば意地悪だなと思うことを一部の人たちからされたこともありました。「なんであんな人たちの言うことに耳を傾けるんだ!」と自分に近い人達から言われたこともありました。
しかしながら、住民の皆様のことを思えば、利用者の方のことを思えば、地域を愛していれば、必要な要望にお応えしない、という選択肢はありえないのです。「公平・公正な姿勢を持つと、国会議員というものは何と立場が弱いものか!」と思ったこともありました。それでも、私は、公平・公正な姿勢、冒頭の「与党の矜持」を概ね貫き通し、良かったと思っています。
自分の気に入らない議員や首長だからと言って要望を受け付けないこと、自分の気に入った議員や首長だからといって余分な予算をつけてしまうことなど、不公正な姿勢を持つ人がいることを耳にすることがあります。これらは、まさに古い政治・権威主義的な政治であり、「驕り」の象徴、無駄と癒着の温床です。党派や政策・理念以前の問題(民主党所属の人間でも、かつてこのような姿勢のものがおりました)。
ともあれ、私は、捲土重来を期すことが出来ても、飽くまで「公平・公正な態度」、『与党の矜持』『民主党の矜持』を貫いて参る覚悟です。今後ともご声援たまわりますようお願い申し上げます。