皆さん、こんにちは。
今日はやや温かかったですが、最近は冷えてきましたね。
お体、ご自愛ください。
私も風邪をひかないように(少しひいている)
気をつけています。
ところで、今日は、漁師さんを訪問し、
現在の水産業・漁業の現状と問題点について
意見交換をしてまいりました。
私は、農林中金時代に、漁協信用業務(JFマリンバンク)や
マグロ漁業融資等を担当したことから、
現在の水産業・漁業が、漁価の低迷や燃油の高騰により、
非常に苦しい状況にあることは知っておりました。
今日、お会いした漁師さんも魚が流通業者に買い叩かれ、
漁価が低迷したことについてお話をされ、
最近、「好景気」と感じたことは全くないとも仰っておられました。
このことについては、私が農林中金和歌山にいた3年前と
全く変わっていないと思いました。
また、非常に印象に残ったことは、
「漁業の苦境と自然環境の変化が大きな関係がある」
と環境問題への取組を強調されていたことでした。
地球温暖化等により水温が上昇した結果、
漁場が沖合いに移動し、
漁師の出漁時間や燃油代など様々な影響が出ていること、
生活排水やダム等の影響により、
磯焼けが起こり、アワビが豊富に取れた海がなくなってしまったこと
(今では一匹も取れないそうです)等々。
「上流のゴミや生活排水のしわ寄せは漁業に来る。
でも、その環境汚染のしわ寄せ(水産資源への影響)に対しては何の補償もない
だから下水道を整備してもらいたいし、川上の人には環境問題に
もっと目を向けてもらいたい」
と仰っていたことが非常に印象に残りました。
磯焼けの問題は、要因の特定が困難なところもありますが、
それゆえに却って、見過ごされ、また、臭いものに蓋をされてきたわけであります。
(和歌山でも磯焼けの原因究明に力を入れた漁協がありました)
かつて、農林中金時代に仕事で接点があり、
また、松下政経塾では、講師としてお話いただいた
水産庁経営指導室の佐藤力生室長によれば、
①漁価の低迷→儲を得るための数量確保→供給過剰→漁価低迷
②儲を得るための漁獲量増加→資源の枯渇→漁獲量の減少
③冷凍技術の発達→冷凍物の増加→供給過剰
④漁獲技術の発達→一船あたりの生産量(漁獲量)増加→減船効果の減殺
等の要因から、
現在の漁業者の苦境があるとお話されておりました。
そして、現在の漁業には、①資源管理を徹底することと、
②漁業団体等も含めた漁業者が、販売単価の上昇に努力することを強調されておられました。
水産業も日本の食糧確保・食糧安全保障を担う重要な産業です。
しかしながら、他の団体と比較して人口が少ないこともあり、
今までその苦境に注目が集まることは少なかったと思います。
今、漁業者の苦境を支援するために政治が出来ることは、
海をこれ以上汚さず、磯焼けの回復等を含めた環境問題に取り組むことであり、
また、漁業者の経営維持のために、一定の条件のもとの戸別所得補償や、
流通改革を進めるための必要な法整備を行うことであると思います。
浜の笑顔・浜の元気をもう一度取り戻しましょう。