私、小山展弘は、この度、静岡3区から無所属で立候補することを決意いたしました。
私は一般的なサラリーマンの家庭で育った徒手空拳の人間です。私のような人間が衆議院議員として国政に携わる際に、政党の存在は大きなものでした。議会での質問の機会をいただくことも、政党の存在ぬきには語れません。私に衆議院議員として活躍させていただく場を与えていただいた民主党、民進党に、そしてその仲間に、心から感謝しております。ですから、9月27日までは党勢がどんなに厳しくなっても、結果を考えず、民進党から出馬することを考えておりました。
しかし、9月28日の両院議員総会で民進党の公認候補は一人も立てないこと、全員が希望の党に公認申請を出すことが決定されました。私もその組織決定に基づいて希望の党に公認申請を出しましたが、この度、公認を得られませんでした。
民進党から出馬することはできず、希望の党から出馬することもなくなりましたが、大変、ありがたいことに、連合静岡さんから、私が希望の党以外であっても、無所属での立候補であっても推薦・支援するという決議をいただきました。このほかにも、たいへん多くの方々から、政党にとらわれず、小山展弘という一人の人間を支援してくださるという力強いお言葉を多数いただきました。涙が出る思いでした。
今回、非常に厳しい状況ではありますが、私にとって大きなチャンスでもあると思っています。政党の政策・理念と所属議員個々の政策・思いが、100%一致するということはありません。この度、どの政党からも公認を受けず、無所属で出馬することで、政党の政策に制約されることも少なく、私個人の理念や信条に、正直に、主張を訴えていきたいと思っています。このような混沌とした政治の状況だからこそ、原点に立ち返り、一人の政治家としての小山展弘を判断していただきたいと思います。
また、今回の公認候補決定の選考基準、決定の根拠、決定プロセス等が不透明であり、十分に説明責任が果たされたとは言い難いと感じております。しがらみのない政治をつくる、ということであれば説明責任を果たすべきです。説明責任が果たされないということであれば、「政治の私物化」であり、森友・加計問題に代表される安倍政権と同じ政治姿勢と言わざるを得ません。私自身政治家として有権者の皆様にしっかりと説明責任を果たし、公平・公正な政治を実現していきたい、そのために私一人でも、できることから取り組みたいと考えました。これも無所属での立候補に至った理由の一つです。
今、国内には、自民党を支持する方でも安倍さんは支持できないという方々がいます。また、野党を支持する方々のなかでも、「排除」という寛容さ、包容力を欠いた、今の希望の党の意思決定及びそのプロセスをみて、希望の党も支持したくないという人もいる。そういう穏健な保守、リベラルの方々の受け皿になりたいと思います。
小泉政権以降、規制改革会議や国家戦略特区会議が推進してきた、行き過ぎた市場主義など、自民党が都市型政党としての色を強める中、むしろ地方は置き去りにされ、地方創生も掛け声ばかりであります。地方の経済は、商工会の総会などでの経済情勢認識を聞いても明らかなとおり、決してよくありません。希望の党も、政策を見る限り、地方経済の発展、農業政策など、地方に対するまなざしを感じるものはありません。今こそ、都市と地方の格差の是正、均衡ある日本経済・社会の発展が求められているのではないでしょうか。
また、私は「報徳立国・日本を創ろう」と訴えております。二宮尊徳の思想を現代風に解釈すれば、会社の利益は株主のためだけでなく、会社の経営陣と社員を含む構成員の勤労に報いるものでなければなりません。労働法規制は適正なものを維持するとともに、一人一人が豊かになり、国民の生活が安定し、将来に対する不安が取り除かれ、安心して働くことができる環境を整えてこそ、個人消費は伸び、経済は活力を取り戻すと考えております。
私は系統組織である農林中央金庫出身です。これまでお互いに、寄り添い助け合う協同組合精神を大切にしてきて、議会においても協同組合議連の活動を通じて、同じ志を持つ他党の議員とも交流を深めてまいりました。そういう同志の存在があるので、無所属の議員でもやれることはあると思っています。
いま、私が憂慮するのは、石橋湛山先生、田中角栄先生、三木武夫先生らがつくり、日本の政治を導いてきた穏健な保守路線、均衡ある日本社会の発展路線を引き継ぐ政治勢力が衰えてしまうことです。本来は自民党も巻き込んだ政界再編こそが求められていると感じています。すなわち、新自由主義で行くのか、それとも均衡ある経済・社会の発展を期すのかの経済・社会ビジョンを軸とした政界再編こそ求められていると考えています。
私は、現在の政治状況は、新たなものが生まれる前のカオスであり、過渡的なものにすぎないと感じております。その日が来るまで日本および静岡の穏健な保守路線を絶やさないためにも、一人で苦しい戦いになりますが、今回の衆議院議員選挙、無所属で立候補いたします。皆様のご協力とご理解賜りますよう、よろしくお願いいたします。