東京にて、枝野幸男議員を講師にお迎えしての「協同・共生研究会」を開催致しました。
枝野議員からは、
・もともと、日本文明は、多神教であり、排他的では無く、寛容な文化であった。
・それらは、水田・稲作の農耕文化の中ではぐくまれてきた。河川は上流から下流まで一体管理が必要であったし、欧米の狩猟文化(強いリーダーシップのもとに競争する文化)と異なり、大きな自然の力の前に助けあい、共生する文化を育んできた。
・ある意味、助け合いの文化、共生の文化こそが日本の伝統であり、日本の伝統を守ることが保守といえるのではなかろうか。
・戦後日本の自民党は、手段についてはともかく、国民皆保険・国民年金制度等の社会保障政策を導入し、公共事業という手法についてはともかく、一億総中流といわれる格差に配慮した政策を実行し、所得再配分に努めてきた。
※正村公宏教授も指摘しているように、この背景には、社会党の要求、社会党への対抗上、いち早く社会保障政策を採り入れたという背景もある。
・戦後日本の政策は、欧州では「社会民主主義」と呼ばれ、アメリカでは「リベラル」と呼ばれるものに近いが、日本ではそれが「保守」と呼ばれた。
・小泉・竹中路線、安倍・産業力競争会議の路線は、これらの、社会保障制度、格差是正制度を徘徊させようとするものであり、その意味において戦後保守の伝統を崩すものである。
・社会保障の充実と、格差是正政策をしっかりと行う、経済政策における保守中道は、むしろ、民主党の主張するものである。
・これからの日本社会は、人口増加の時代が終わり、減少社会に移っていく。これ以上、豊にはならない。
むしろ、人口増加の時代は終わり、維持の時代に入った。
今の豊かさを維持すべき時代。
人口減少時代に、一人あたりの豊かさ、一人あたりのGDPを維持することこそ、政策の目標。
・コミュニティの再構築、共同体の支え合いが必要となる。
・国家が直接関与するばかりではないものの、所得の再分配する社会システムの構築が求められている。
というものでした。
保守の定義等、細かいところはともかく、
私は、概ね、賛同するところが多々ありました。
今の豊かさを維持していく、
自然と人に感謝しながら、異なるものとも共存できる共生の社会、
格差を一定程度是正し、バランスのとれた日本を目指していくことは、
私も、選挙公報でも訴えてきたことです。
枝野議員とは、大学生時代に知り合いました。
2期目当選直後に、大学のせまい、きたない部室におこしいただき、
10人ほどしかいない学生の勉強会であっても、
熱心に語っていた姿を、今でも、鮮明に覚えています。
私も、枝野議員の街頭活動のビラ配りなどのお手伝いに伺ったこともありました。
意見が異なることがあっても、だからこそ、相手を尊重する姿勢が枝野議員にはあり、
そういうところが特に、枝野議員の魅力だと私は感じています。