「小笠郡に生まれて」
⑤安保法制可決の夜
〇故榛葉達夫先生と平和への思い
榛葉賀津也さんのお父様である故榛葉達夫先生は、私はお会いしたことはないのですが、菊川町長、静岡県議会議員を歴任した素晴らしいお方だったと伺っています。その榛葉達夫先生は、学生時代に60年安保闘争に参加し、かの樺美智子さんが亡くなった国会デモの周辺にいらしたそうです。榛葉先生は与野党の多くの方から親しまれましたが、その平和に対する思いは、野党の皆様にも一目置かれていたそうです。賀津也さんは、そんなお父様のもとで育ちました。だからこそ、平和に対する思いは人一倍強く、少なくとも私は、国粋的な意味での改憲発言を聞いたことは一度もありません。
〇安保法制可決の夜…疲れきった様子の榛葉さんとお会いして
2016年の安保法制の可決の際には、60年安保ほどではなかったにせよ、反対の人達が国会周辺を取り巻き、国会内においても野党の反対姿勢はヒートアップしていました。野党の目から見て、どれほど質問への答弁が不十分であっても、どれほど審議が尽くされたとは言えなくても、与党が採決をする、強行採決をするという意思を固めた以上は、可決は残念ながら時間の問題でした。榛葉さんはお父様の達夫さんから60年安保の騒動のことを聞かされていました。2019年のある集会で榛葉さんが語ったところによると、「ここで混乱がさらに拡大し、けが人が出てはいけない、まして命を落とす人が出てはいけない、親父の顔が脳裏をよぎった」そうです。この時に「けが人や死人が出た方がかえって都合がよい」という発言をした議員がいたそうですが、「君は何を言っているのか!」と榛葉さんはたしなめたそうです。ちなみに、この安保法制が参議院の委員会で可決された午前3時頃、私は民進党参院国対委員長室に伺いました。その時の疲れきった榛葉さんの顔が今でも印象に残っています。色々な悩み、葛藤があったのだろうと推察いたしました。
〇「政治には情熱と冷静な現状分析が必要」
パフォーマンスに走るのではなく、今、最大限にできる具体的なことは何か、雰囲気にとらわれて虚飾をつかむのではなく、実質的なことは何か、榛葉さんは、それを常に考えているように思います。「情熱の男」とキャッチコピーで謳っていますが、実はとても冷静に現状を分析されていらっしゃるように私は思っています。故高坂正堯教授は、政治には情熱と冷静な利害を含む現状分析の両方が必要と書き残していますが、榛葉さんはその両方を兼ね備えているように思います。
榛葉さんの公式HPは以下より。
http://www.k-shimba.com/