今の日本経済

小山展弘

2014年10月10日 10:28

株価は上がっているものの、今の日本経済は非常に悪いのではないだろうか。朝日新聞による吉田所長調書の誤った報道がなされたが、日本経済の現状についても、同様のことがいえはしないだろうか。アベノミクスどうこうという前に、マスコミのミスリードこそもっと問題にすべきではないだろうか。

 某新聞の記者が、景気動向について「最初は駆け込み需要の反動減といっていたけど、どうもそうではないという識者が増えてきていますよね」と言っていた。論調が微妙にかわるかもしれない(ちなみに朝日新聞は、このフェイスブックでも書いた7月の大誤報「大畠幹事長辞任」報道についても大畠幹事長に謝罪すべきである。朝日新聞は現在の民主党主流派に対してきわめて批判的で、特定のグル―プの意向を汲んだ報道をする傾向があったように思います)

4~6月期のGDPのマイナス幅は▲7.1%(年率換算)で東日本大震災を上回る深刻なものだった。1997年の消費税+2%増税時には、駆け込み需要が今回(+11%)とほぼ同程度の+10%であるのに、4~6月期のGDPの落ち込みは▲3.7%であった。1997年のその後の経済不況を思い出していただければ、今回の落ち込みは大変なものです。特にGDPに大きな影響を与える民間最終消費は、▲13・9%で1994年のバブル崩壊以来最悪。ここから帰属家賃(家賃支払いは本来景気に左右されにくい)を差し引いた数値は▲22.7%で過去最悪を記録している。自動車販売台数も伸び悩んでいるし、機械受注も近年例のない下げ幅。賃金もあがった、あがったとマスコミが大本営発表したが、実質賃金は下がり続けている。そして、小売業販売額では、金額は東日本大震災後、伸びているものの、好景気のはずなのに、伸び率は民主党政権よりも▲1%鈍化している。また、円安の負の影響も徐々に出始めている。


これらの数字を見れば、経済が良いとは言えないのではなかろうか。むしろ、株価以外は厳しい数字が並んでいる。そして、やはり、民間消費、個人消費が伸びていく政策を行っていかなければならないし、それは株価をつり上げることで、一部の投資家や資金豊富な株主のみ所得が増える政策ではなく、額に汗して働くすべての人たちの所得が増え、地域間格差、所得格差が是正される政策が必要ではないかと思います。