5月20日、小山展弘オープンミーティングを開催いたしました。今回は、「働き方改革にどう取り組む~経営コンサルティングの現場から~」をテーマに、経営コンサルタントの木下耕二先生にご講演いただきました。
経営学の定義から始まり、事件のあったような大企業は無駄が多く、改善の余地は多々あるが、中小企業には無駄の改善余力がほとんどないこと、日本国の労働生産性が低いといわれているが、労働生産性には人口が少なく金融業の国が高く産出される傾向もあり、また、ここには国民全体の格差の問題も含まれず議論される場合もあること、むしろ日本の場合には、労働生産性が低い産業に従事する人たちがおり、その人たちの生活を支えている側面もあり、この指標で労働生産性の低いとされる産業を切り捨てたり、すべての企業の労働生産性の向上を一律に取り組ませようとすることには疑問があることなどのお話がありました。
また、中小企業は、おおむね「弱者の戦略」をとらねばならない。儲かる事業だけを常に選ぶことができるわけでなく、多くの企業は「儲からない、理不尽だ、と思いながらも、生き延びることで精いっぱい、まずは生き延びて、従業員の生活を保障することで精いっぱい。「身の丈」の定義は企業にとってケースバイケースであるが、結局、身の丈にあった事業展開を行っていくしかない」とのお話は、コンサルタント業務の実感がこもっているように思いました。
農林中央金庫の経営診断研修でご指導いただいて以来、個人的にもご指導いただいてまいりましたが、私自身も「お客様と痛みを共有する姿勢だけでももて」と上司から言われ、協同組合金融機関職員として仕事をしたころを思い出すとともに、先生も「痛みを共有する」姿勢を持たれて、今もお仕事されていらっしゃるのだなと感じ、時折、涙が出そうになりながら、自分自身も勉強になるご講演でした。